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6時頃、車掌に起こされる。例のカードと切符を交換に来た。北京着は6時半、そのまま起きて、お茶を飲む。やがて、隣の部屋に寝ていた二人もやってきた。間もなく到着だ、一同下車の準備をする。駅を出て、あらかじめ手配しておいた現地ガイドと落ち合う。まずは朝食だ。まだ、朝も早いので、普通のレストランは開いていない。現地の人たちが行く大衆食堂へ案内される。壁のメニューを見てもどんな料理なのか見当が付かない。ガイドが何か頼んでくれた。出てきた物は、揚げた肉まんみたいな形の物だ、中には肉や野菜が入っている。なかなか美味しい。それと日本でもおなじみのワンタンだ。箸やお皿は使う前に紙で拭う、濡れた食器は危ないからね。で、お代は6人で22元!なんと一人当たり日本円で50円程度!やっすい!そそくさと朝食を済ませると、さっそく今日の観光に向かう。
まずは今年初めに来たときには行けなかった頤和園という庭園だ。ここは800年も前からある歴代の皇帝の別荘だが、1800年代に英仏連合軍の攻撃で消失した。後に西太后が国を傾けて再建したという。おかげで、清朝の軍事力が弱体化して帝国の滅亡を早める結果となった。面積はなんと290万平方メートル!その7割は人工の湖。たまたま、先月にNHKの番組でここの公園が紹介されたのを見ていたので余計に印象深い。長さ、700mに及ぶ大回廊や美しい庭園は、筆舌に尽くしがたい。広大な湖から渡ってくる風は、夏の暑さも忘れてしまいそうな涼しさだ。
頤和園の観光を終えると一旦北京市内へと向かった。しかし、渋滞がひどく、このままでは今日のスケジュールを、こなせそうにもない。そこで故宮の観光を午後に回して、先に長城へいくことになった。長城は2度目だが、まあいたしかたない。長城までは車で約1時間程度。前回来たときは真冬の一月、今回はさすが半袖でも暑いくらいだ。荷物は車に残して、カメラと水だけを持って、見慣れた駐車場で車を降りると入り口までは歩いていく。初めての方には驚異に感じる偉容も2度目ではさほど感激はない。入り口を入ると左右にのびる長城のどちらへ行くか相談する。右はやや、なだらかだが人通りが多い女坂、左は空いているが、急な男坂。相談の結果、人の少ない男坂へ行くことになった。ラッキー!実は前回、女坂の方は歩いてきたんだよね。
一同、勇んで歩き出すが、進むに連れて、急斜面やまさかと思われる急階段に遭遇する。人が少ないといっても、さすが、ここは中国一番の名所とあって、欧米人を初め、現地の観光客がたくさん往来している。振り返って女坂の方をみると、登り口を境に向こう側は凄い人混みだ。一同、“やっぱり、こちらへ来て良かったね”などと話す。限られた時間の中で、行けども行けどもキリがない長城のこと、適当なところで引き返さなければならない。あちこちに土産物売りが店を広げている。中年の女性がシルクのスカーフを広げて追いかけてきた。“5枚でいくらいくら”という感じで売っている。さほど買う気もなかったのだが、同じ価格で10枚と交渉したところ、7枚になった。それでも“じゃ、いらない”と言って歩いていくと追いかけてきて8枚になった。しかし、私は執拗に10枚を固辞したところ、あいても根負けして9枚からとうとう10枚になった。中国では、希望価格まで値切って置いて買わないのは、相手に対して非常に失礼な事とされている。10枚買っても日本円では驚くような金額ではない。適当に柄を見繕って購入した。帰国後、お土産として何人かに配ったが割と好評だった。本当の値段はとても人には言えない。いつも思うのだが、お土産は高価なものじゃなくてもいい、珍しい物を少し多めに買ってくるのがコツだなあ。もって帰ることの方が大変なんだから。
長城観光が済むと、今度は北京市内へ戻る。途中で日本人向けというレストラン兼ドライブインで昼食だ。例によって入り口で土産物屋のカードを配られる。レストランは2階。テーブルには二鍋頭酒の小瓶が2本置いてあった。これは店からのサービス。さらに銘々にビール一杯のサービスがついてきた。料理はなんと、中国では初めてお目にかかる弁当形式!な〜んだ、つまらない..。大連在住のK氏は職場の宴会で、しばしば白酒を飲んでいるので警戒していたが、“ややや、これは美味い”...そうか、二鍋頭酒は飲んだことなかったのか。とは、いってもアルコール濃度50%を超える強烈な酒、小さな酒器で1〜2杯飲んだだけでも顔がほてる。食事が済むと、下へ降りて土産物を眺める。個人旅行で来ていると、こういう店では何も買う気にはなれない。案の定、一同時間をもてあましてしまった。少し早めだったが、ガイドの休憩室まで行って、出発を促す。
故宮博物館
ここも、2度目の訪問なのでさほどの大きな感激はない。我々のワゴン車は天安門ではなく、東門の駐車場で一行を下ろす。故宮内の門や建物の説明を受けながら北へ向かう。途中でガイドから、“ここから先はルートが2つあります。一方は皇帝の生活していた居住部分、もう一方は宝物殿です”と案内があった。一同、宝物殿を見たいという。ラッキー!前回は宝物殿を見ていないのだ。ここの宝物殿は蒋介石が台湾へ脱出したときに残していった宝物で、台湾にはもっと凄い宝があるそうだが、それでも大きさが直径40センチもありそうな金の洗面器や多くの金製品、翡翠などの宝石を使った装身具など多くの宝が展示されていた。宝物殿群を通り過ぎて、出口に近くなると前回も案内された土産物屋に連れて行かれた。あのときは竜の凧を購入した。今回はサービスのお茶を飲んでいたら、一番奥の書の展示してあるところになにやら白い衣装を着た恰幅の良い老人がいた。なんと彼はラストエンペラー愛新覚羅溥儀の甥という方で、中国でも5本の指に入るという書の名人だそうだ。度重なる訪中でこの手の商法にはもう慣れっこだが、さすがに敵もやるもんだ。一緒に写真を撮っても良いというので早速、中国語で挨拶をしてツーショットを撮ってもらい、ついでに握手をしてきた。残念なことに、その時の写真はバックアップしておいたハードディスクのトラブルで消失してしまった。
故宮見学を終えると、いよいよ待望の胡同巡りだ。車は故宮の北西部へ向かう。ガイドが連れて行ってくれた通りには何台もの自転車タクシー(自転車の後ろに2人乗りの座席を取り付けた三輪車)がたむろしていた。なにやら交渉していたが、すぐにOK!とばかりに4台の三輪車に分乗して胡同巡りへ出発だ。この人たちはごく普通のシャツとズボン姿だ。年輩の爺ちゃんの三輪車が先頭を走る。なんだかこんな人たちに引っ張らせるなんて申し訳ないような気がする。まさか三輪車で胡同巡りが出来るとは思っていなかったので超ラッキー!自転車は狭い路地をずんずん進む。途中で黄色い制服を着た三輪車の胡同巡り一向に出くわす。10台以上もの三輪車が凄いスピードで走っている、客は欧米人の団体さんだ。あの黄色い制服の車夫は北京胡同文化発展公司が組織する観光ツアーだ。我々の三輪車はお構いなしにのんびりと走る、あんな猛スピードで走られるのはまっぴらだ。途中で湖の前の通りへ出た。ここで車を降りると、一番前の爺ちゃん車夫が、一軒の家の前へ連れて行って、なにやら説明してくれた。残念ながら浅学の私には半分も聞き取れなかったが、建物の入り口にある門や下馬、騎乗の台の事などを説明してくれた。再び車に乗り、北西の方へと進む。
風情のある細い道を進む。ここでまた下車して徒歩で行く。多分、什刹後海のあたりのようだ。橋のたもとに石碑があり、なにやら書いてある。ここの風景を愛でたものらしい。橋を渡って向こう側へ行く。人通りも多く、かなりの賑わいだ。太鼓型になった橋は、リヤカーや三輪車にはけっこうな難所のようだ。通りには露天の八百屋が果物などを売っている。若い兄ちゃんがいる店で、手早くライチをひとかたまり買った。紐で束ねてあって、ゆうに5〜60個もの実がついていた。価格は10元(160円)と安い。ガイドの後に付いていくと一軒の店に入っていった。客が2人も入れば一杯になってしまいそうな小さな店だが骨董品等を商っているらしい。店の主人が小さな籠をみせてくれた。中には日本のミンミンゼミほどの大きさの巨大なコオロギが入っていた。噂に聞くコオロギ相撲につかうコオロギのようだ。初めてみたが、あんなにでかいとは信じられなかった。大陸にはでかいコオロギがいるのだなあ。
日も西に傾き初め、そろそろホテルへ戻ろうかということになり、車でホテルへ向かう。途中でドライバーがお茶の店へ案内すると言い出した。宿泊する予定の魚陽飯店の近くだ。案内されて行ってみると、なあ〜んだ、やっぱり、土産物屋だ。例によって若くて綺麗な日本語達者なおねえちゃんが口上を述べながら中国茶の説明をしながらお茶をサービスしてくれる。う〜ん、私はかれこれ3度目だ。早くホテルへ帰りたいのだが、彼女も商売。一通りお茶を飲ませてもらって、何も買わずに店を出る。ごめんね、だって高いんだもん。
魚陽飯店は故宮の北東部にある4つ星ホテル、なかなか良いホテルだ。私はUさんと相部屋になる。北京在住のK夫妻の友人が尋ねて来るというので、いそいそとシャワーを浴びてさっぱりする。さきほど買ってきたライチを3等分して各部屋へお裾分けした。生のライチはやっぱり美味しい。そうこうしているうちに、Kさんのお友達がやってきた。私は日本へ電話をかけたいというUさんと一足お先に下へ降りて、ビジネスセンターを探し、国際電話の手配をしてもらった。Uさんが電話をかけている間に、フロントで人数分の北京市内の地図とホテルのアドレスカードをもらう。下へ降りてきた面々に地図とカードを配り、今日のレストランの位置や明日の予定などを話し合う。どうも、Kさんが目星をつけてきた北京ダックの店の場所がよくわからない。とりあえずタクシー2台に分乗して。ガイドブックに出ている住所へ向かった。しかし、運転手とKさんの会話を聞いていると、どうやら件の店はそこにはないかもしれないようだ。で、到着してみるとそこは全く違う店になっていた。後続車も到着して運転手が、やってきた。結局、運転手任せで、いい店を紹介してもらうことになった。連れて行かれた店は、そのなも“北京カウヤー店(カウヤーは北京ダックの意)有名店らしく、テーブルは満席。いたしかたなく待合室で待つこと約30分、ようやくテーブルへ案内された。K氏がメニューを見ながら料理を決めている間に、ワインリストを見せてもらう。へえ、なかなかな物だ。ワインもあればレミーマルタン等の高級酒も置いてある、でもそれなりに高い。我々は地ビールを飲んでみることにした。メインのダックが出る前に、いろいろな前菜が出てくる。どれもこれも美味い。ダックが出てくる前に満腹になりそうだ。安い地ビールもさっぱりして飲み口が良い。そのうちにリンゴの飴がけ料理が出てきた。以前、芋バージョンを食べたことがある。すると、北京在住のK氏のお友達がいきなり、”これは、固まる前に全部、この水に付けちゃった方が良い“という、なるほど、暖かい内はいいのだが冷えて固まってくると皿にこびりついて取れなくなっちゃうのだ。な〜るほど、
これも生活の知恵か!やがてコックが台に乗せたダックを持ってきて目の前でスライスして供してくれる。さすがに本場物だけあって実に美味い。しかもパックツアーの時のように、けちけちしていない。7人で一羽と半分だ。一同おなかが一杯になるほどダックを堪能した。驚いたのはさらにその後だ。なあんと、勘定はわずか600元。7人で存分に食べて1万円にもならない。まあ、そうは言っても低所得層の一ヶ月分の給料にあたるかなあという金額だ。一般庶民には”高嶺の花“なんだろうな。
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