大和田茂ちゃんのインド旅行記(デリー 2)

二日目・デリー

 インド二日目の朝、ぐっすり寝たためかモーニングコールの前に目を覚ます。窓の外はもう明るい。窓の外を眺めてあらためてインドに居ることを感じる。娘を起こして着替えさせ朝食に行く。朝食は当然インド料理、それもバイキングだ。日本のホテルのバイキングのようなお盆はない、少し大きめのお皿がある。まずお皿を手に取り料理を眺める、ああこんなことなら日本で一度インド料理の店に行ってみるべきだったと反省。とにかく、どれがどんな味か全然わからない。まずは無難そうなトーストやフルーツを取る。赤い色のジュースがあった。つぎに皿の上にすこしづつ数種類のカレーを取る、インド定番のナンは出ていなかった。テーブルへ戻って食べ始める、赤いジュースはトマトジュースかと思いきやなんと西瓜のジュースだった。取りあえず冷えていて嬉しい、パン、トーストはまあ特に変わったところはなし。カレーはどれも美味しい、デザートのフルーツを取りに行く。ピンポン球よりやや大きいくらいで見たことのない不思議な果実がある。ボーイに聞いてみたところサボジラという果物で甘いそうだ。色は茶色っぽくて固い、同席の夫婦が興味深そうに見ている。これこれだそうです、と説明して挑戦してみる。やけに固くて皮が剥きにくい。半分に割ってみると黒くて柿の種みたいな形の種がある。一口かじる、なんと、ものすごく渋くてまずい....なんだーこりゃあ......とても食べられるシロモノではない。西瓜は日本のものと変わらない。マンゴーはやや酸味が強いようだ。今日はデリー市内の観光である、食後早々に荷物をまとめてロビーへおろす。

 待機中に玄関の外に出てみるとインド製の乗用車アンバサダーが置いてあった。丁度外に出てきた同行の方にお願いしてアンバサダーの前で写真を撮ってもらう。 

 

インドの国産車アンバサダー(右)

アンバサダーのエンジンルーム

 バスはやっぱり昨日空港から乗ってきたバスらしい。ということは、これからしばらくはあのけたたましいバスとつき合うことになるようだ。バスのトランクルーム(床下ではなく車体の後ろにある)に自分のスーツケースが積まれたのを確認してからバスに乗り込む。バスには既に半数以上の人が乗り込んでいた。子供連れは私一人、リタイヤの夫婦が7〜8組、2〜30代はなし、40代位の姉妹が一組、後は一人で参加の男女3名程の一行、小学生は私の娘ただ一人。遠慮無く大きな声で「皆さん申し訳ありませんが娘が車に弱いので前の方の席をお願いします」と言って、左側の最前列の席を確保。以後、旅の終わりまで指定席となった。ここは前方がよく見えて本当に特等席だ。

 

ガンジーの墓

 車はホテルを出ると太い通りに出てデリーの中心部へと進む。デリーは昔からあるオールドデリーとニューデリーに大きく別れている。蚊、蝿、鼠等の不快害虫に悩まされた英国人がニューデリーを作るときに生態系を研究して300m程隔てて建設したそうだが今ではその効果は失われて久しい。明るいところで見るデリーは昨夜の第一印象通り、全くのごみ箱状態である。世界各国の大使館のある通りは人が少ない、町並みもいくらか綺麗だがほんの心持ち程度だ。朝のラッシュアワー時とあって市内の喧噪は昨夜以上にすさまじく、言葉で表現できるレベルの物ではない。知りたければ言って見てくるのが一番だとしか言いようがない。日本人はすべからくインドを見るべきだ。最初に行ったのはインド建国の父、マハトマ・ガンジーのお墓。お墓と言ってもインドには埋葬の習慣がないのでガンジーの遺体を火葬にした時の石の台があるだけだ。バスを降りると早速来た来た。みやげ物売りが絵はがきや、リクシャーの玩具をもって1000円とか50ルピーとか日本語で言いながらたかってくる。まるで蝿や蚊の様にまとわりついてくる、ノーサンキュー、ノーサンキューと断りながらさっさと歩いて、現地ガイドに必死でついていく。入り口の門を入るとなだらかな上り坂の両側は緑の芝生になっていた。インド人の子供が何するわけでもなくたむろしている。墓の周辺は聖地とされていて、靴を履いたまま中にはいることは出来ない。入り口でサンダル(インドに来てからはずっとサンダルで過ごすつもり)を脱いで番人に預ける。まだ早い時間なので床面の石板はまだそれほど熱くなってはいない。日中で気温45度ともなったらとても裸足では歩けないだろう。

 

ガンジーの墓 黒い巨大な大理石、ここで荼毘にふされた 

 

添乗員さんと2ショット

 

 中央に1辺約5m位、厚さは1m位(かな...記憶が定かでない)の巨大な黒い大理石の方形の石が置いてあった。その背後には永遠に消えることのない火が灯されていた。もちろんガンジーはこの上で荼毘に付された訳だが遺灰は川に流されたのでここに埋葬されているわけではない。バスに戻る、例によってみやげ物売りがしつこい。

 

 インド門とクトゥブ・ミナール

 

インド門の前にて

残念!鉄柱には触れなかった

 

左がチャンドラヴァルマンの鉄柱

 右奥の石の塔がクトゥブ・ミナール

(高さ70m)

 バスはクトゥブ・ミナールへ向かう。高級住宅街を抜けてしばらく行くと先の方に赤茶色をした塔が見えた。高さ約70m、基部の太さが15mばかりの赤砂岩の塔である800年程前に建てられたこの塔は昔は七階だったが今は崩れて五階しか残っていない。塔の表面には複雑な文様が刻まれている。内部はイタリアのピサの斜塔の様に螺旋階段になっていて各階のバルコニーへ出られるようになっているそうだ。しかし、16年前に内部を見学中の子供達が将棋倒しとなって大勢が圧死して以来入場禁止となっている。なおこのクトゥブ・ミナールは12世紀に建てられたイスラム寺院の跡である。この寺院の敷地内にはチャンドラヴァルマンの鉄柱というのがあった。この鉄柱は高さ7m程だがインドのガイドブックに必ず紹介されている。この柱は四世紀にチャンドラヴァルマン王によって建てられたが極めて純度の高い鉄で作られており1000年以上経過した今でも錆びていない。この鉄柱を背にして自分の両手を後ろ手に回して結び合わせることが出来ると幸運に恵まれるという言い伝えがあり、非常に期待していったのだがこれを試そうとする観光客があまりに多すぎて2年程前に禁止されてしまったそうだ。残念!

次は第一次大戦の時に亡くなったインド人兵士の名前が刻まれているというインド門。パリの凱旋門によく似た門で非常に美しい。周辺は公園になっていてとても綺麗だ。芝生の所に二人の蛇使いが居てこちらを睨んでいる。ガイドは「うかつ近づいたり写真を撮ったりするとお金を請求されるので気をつけて下さい」と注意を促す。彼らは大道芸人、つまりプロなのだ。門の下には兵士がいて門の中には入れない、しかし刻まれている名前は遠くからも見ることが出来た。高さは42m、壮大な門だ。近くに大統領の官邸もあるそうだ。

 

フマユーン廟

   

フマユーン廟遠景 

 

フマユーン廟で発見した足跡??

 クトゥプ・ミナールの北方約10キロ程の所にフマユーン廟というのがあります。ここはムガル王朝2代目の皇帝フマユーンの墓です。形は有名なタージ・マハールによく似たムガル様式の建築で赤砂岩で作られており、要所要所には白い大理石がはめ込まれて輪郭がはっきり浮き出るように作られている。入り口の門の左側の所では修復の為の石工が何人か赤砂岩の板を刻んでいました。その横に廃材の赤砂岩のかけらがたくさん落ちていたので、記念に数個もらってきた。建物そのものの内部はそれほど面白い物でもない。やはりただのお墓だ。

   

昼食

 昼食には半年ほど前に出来たという日本食レストランへ連れて行かれた。デリー市内のため近くまでバスが入れないので、少し離れたところでバスを降りて歩いていった。もちろんみやげ物売りがついてくるが、これはどこへ行っても同じなのでもういちいち書かないことにする。レストランはいわば商店街の様なところの中にあり、入り口には制服を着た警官(かどうかわからないが)が警戒している。店に入ってすぐに、簾の陰の階段を下りて地下へ通される。そこは精いっぱい日本風に(インドにおける)に飾ってあり、インド人の日本の感覚というものを忍ばせる。肌の浅黒い若いインド人青年達が青地に白く染め抜いた半天を着せられて立っていた。食べさせてもらえるのは、なんとてんぷら定食だそうだ。初めに各テーブルに2種類のカレーの入ったトレーが配られた。次に漬け物とほうれん草の皿が来た。ほうれん草は醤油味にゴマがぱらぱらとかかっていてうまくもまずくもない。待っているうちにメインディッシュのてんぷらが来た。 皿には二匹の巨大な海老がてんぷらになって載っていた。その他には馬鹿でかくて水っぽい輪切りの茄子のてんぷらと、もうひとつ何かが載っていたが忘れた。天つゆは異様に甘すぎて我々の食感にはあまりマッチしないものだったがインドで食べられる日本食はこれが最後とあって結構食べられた。味噌汁はタマネギ等が入っていたが、適度な塩加減で美味しかった。ご飯は茶碗にたっぷり山のよう....インド人の給仕達の茶碗を持つ手がいかにも不器用で思わず笑ってしまいそう。米はインディカ米の様にも思えたが、炊き方なのか、別な米なのかそこそこに食べられた。やはり、日本の米はうまいとあらためて実感する。

インドのてんぷら定食

 昼食を終えてホッとしたのもつかの間、トイレを済ませてバスに戻る。途中の道路ではオートリクシャーが数台たむろしておりこちらを見ながら「ジャパニ・ジャパニ」とじろじろ見られる。めげずにバスの待っている方へ行こうとすると、危うく牛の糞のぺちゃんこになった物を踏みそうになった。

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