大和田茂ちゃんのインド旅行記(ジャイプール)

三日目・ジャイプール

 これからジャイプールまで移動となる。バスはデリー〜ジャイプールを結ぶ唯一の幹線道路を南西へ向かって進む。距離はおおよそ260キロ余り、とてつもない大移動だ。幹線道路といってもガードレールも交通信号もなく荒野の中に、ただただまっすぐにアスファルトで舗装されている道路があるだけ。バスがオンボロな上、道も悪いと来て、乗り心地は最悪。エアコンの効いているのだけが救いだ。さすがに幹線道路だけあって通行量も多く、トラック(愛嬌のある顔をしている国産のTATA印のトラック)バス、地元の人が乗っているバスはエアコンなし、座席と座席の間隔も狭くかなり窮屈そう。運転席はドアが無い、オートリクシャーよりも少し大きい三輪車、ジープ風の小型車(これもTATA印)駱駝、どれもこれも人を満載して走っている。

駱駝の後ろに見えるのがTATA印のトラック

 三輪車に6〜7人というのは当たり前、中には何人いるのかわからないほどたくさん載っているのもある。トラクターに引かれた荷台の上にはそれこそ20人位乗っているのも見かけた。バスは前の車に追いつきそうになるとけたたましいクラクションを鳴らして道を譲れと促す、例のインド人運転手は前方から対向車がやってくるのも構わず追い越しをかける。対向車が抗議のヘッドランプをつける。さらにクラクションを連発して隣の車にどけどけと圧力をかけて無理矢理追い越して間一髪で自分の車線に戻る。ローマのタクシー運転手も乱暴だが、ここへ来ては生半可なものだ。乱暴を通り越して滅茶苦茶としかいいようがない。こんな調子でしばらく進むが辺りの風景は全くと言って変化がないので窓の外を眺めているのも飽きてくる。

 エアコンは効いていても喉が乾く、昨夜から凍らせておいたゲーターレードがようやく飲み頃に融けてきた。風景といっても見える物は赤茶けた大地と、お情け程度の緑で本当に乾燥しきっている感じだ。何日雨が降っていないのだろうか、やがてバスは4車線の広い道路へと進入していく、緑色の大きな看板があった。数種類の言語(らしいもの)と英語でなにやら書いてある、どうやら有料道路らしい。道幅こそ倍になったが相変わらず道は余り良くない。対向車がいないので追い越しの方は何となく一安心。話に聞くと道路の両側の路肩の部分が脆弱なので路肩に寄りすぎると崩れて道路から転落したり車軸を折ったりというトラブルが多いらしい、だから追い越される方も出来るだけ道路からはみ出さないように走りたくて事故が多いそうだ。確かにこんな所で車が壊れたら生死に関わる事態になりそうだ。バスは時々大きな町を通過する、町はデリーよりもさらにすさまじい瓦礫の山に等しいが、人や車の数はおびたたしい。道ばたにはペプシを売る店、果物を売る男、何か得体の知れない香料を売る者、たくさんの痩せこけた牛、そして人人人人、修理中の車、壊れたまま放置され無惨な姿をさらす車、ヤシの実を割ってお盆に乗せて売り歩く男、等々何でもありあり......しかし、ここには外国人が普通に入れるようなトイレは皆無。

赤茶けた砂漠が延々と続く....外は猛烈に暑い!

 デリーから概ね3時間半ほど走ったろうか?バスはいきなり向こう側の対向車線を横切って砂漠の真ん中にぽつんと一軒だけあるホテルらしき所に入っていく。漸くこの路線でただ一カ所という安心できる休憩所に到着した。バスから出るとそこは灼熱の世界、早々に建物の中に駆け込む。しかしエアコンがあるわけでなく天井からぶら下がった扇風機が生温い風を送るだけ、中には何をする風でもないインド人達が「また、日本人か....」とでもいいたげな顔でこちらを見ている。トイレは日本の公衆トイレのレベルで、なんとか用を足せる。済ませて水道の所へ行くと余計なことにインド人の男が待ちかまえていて蛇口を捻って水を出してくれる。おまけにティッシュのサービス付きだ。当然チップねらい...ポケットからハンカチを出して”ノーサンキュー”と断る。娘が喉が乾いたというのでロビーで安全そうな飲み物、コーラを注文する、この辺り(ラジャスターン州)で買えるコーラはほとんどペプシだ。価格は40ルピー約150円、容量は300ml決して安いとはいえないが、他に安全な飲み物は無い。しばしの休憩の後、バスはまた同じ道を走り続ける。

 やがて料金所に到着した。料金は100キロ(推定)以上走った有料道路なのに大型バスでなんと100ルピーと非常に安い。有料道路はさらに延々と続く、料金所はこの道路のほぼ中間点にあるらしい。延々と走り続けた有料道路も突然終わりを告げ、普通の二車線道路となる。面白いことに道路の終わりを示す標識は何もなくいきなり舗装が途絶えて道路の終わりを示すとうせんぼの石ころが道路に並べられているだけだ。再びスリリングな対向車との度胸試しが始まる、次第に日も暮れ薄暗くなってくる頃風景もやや変化を見せ始めた。遠景に山が見え始めたのである。そしてその夜7時半頃ようやくジャイプールへと到着した。ジャイプールの町は別名ピンクシティと呼ばれるくらいに外壁がピンク色の建物が多い。と、いうよりもすべての建物がピンクだ。新築の際もピンクにするように定められているそうだ。旧市街は高い壁に囲まれているがこの壁もピンク、周囲には7つの門があるが車1台が漸く通れるだけ、向こうから来る車とこちらから交互に通らなければ通れない。しかし、例によってなかなか道を譲ろうとしないので渋滞してなかなか通れない。

ジャイプールのホテルはラージプタナ・シェラトンとこれまた5つ星クラスの高級ホテル。

 長時間バスに揺られてきた一行は疲れはてて一刻も早く部屋に入りたいのだが既に時間も遅く、先にインド料理のバイキング。ここのインド料理は種類も豊富な上、本格的なインド料理とあってますますどれをたべたらいいのかさっぱりわからない。取りあえず、カレーを数種類皿に取る。焼き立てのナンがたくさんある。これも3枚ほどもらう。フルーツのコーナーにはライチがあった、娘がすかさず見つけて7〜8個も持ってきてしまった。先日のホテルで渋くて食べられなかったサボジラもあった。昨夜の物より柔らかい、そうか昨日のは未熟だったのだ。ナンをちぎってカレーをつけて食べる、旨い.....これが本場のインド料理か.........サボジラにも再挑戦、確かに甘い。でもなんか舌触りがざらざらする、好んで食べたくなるような果実ではない。マンゴーは日本に入ってくるマンゴーとさほど味は変わらなかった、トマトジュースは甘くて非常に美味。ホテルに到着した時間が遅かったせいか、まだ食べ終わらない皿をボーイにどんどん片づけられてしまう。かまわず、新しい皿に料理を持ってきて食べる、ボーイも早く仕事を終わらせたいのだろう。可哀想だが仕方がないので開き直る。

  

 

ホテルの近くで...こんなことしてみた

 食事が済むと漸く部屋の割り当ても決まり部屋へ入れることになった。鍵の番号は1435?「確かこの建物はせいぜい5階建て位」と思ったが......エレベーターに乗ってみたら氷解、一階がロビー、二階が1200番台。13が無くて三階が1400番台だったのだ。エレベーターを降りて部屋を探す、なんとも長い曲がりくねった廊下。エレベーターホールから滅茶苦茶に遠いはるか彼方にそれはあった。ボーイが部屋を開けてくれる、明かりのスイッチを入れてみたが真っ暗...訳が分からず右往左往しているとボーイが部屋の鍵をどうとかこうとか言う。なるほど、スイッチの横に鍵のホルダーがあってこれが部屋全部のメインスイッチになっているのだ。部屋はさすがに一流ホテルだけあって綺麗だ、これもまた満足満足。ただし、冷蔵庫はほとんど冷えていない。水のボトルが一本入っているだけ、しかも冷たくない、氷も作れそうにもない。湯はちゃんと出た、何でもないことが嬉しい。でも赤いお湯、水道管が錆びているのだ。もう一度湯を入れ直す、今度はなんとか透明に近い。今日はまともに熱い湯に入れそうだ。ここには二泊する予定.....こうしてインド2日目の夜は終わった。

 

 

ホテルの門の向かい側の路上にあったトランス

恐いくらい低い所にある(手が届きそう)

 

  

TOP

目次

INDEX

INDIA

1

1日目

2

2日目

3

3日目

4

4日目

5

5日目