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午後2時頃、意識朦朧のままバスはアグラのホテルへ到着した。ホテルはアグラでも大きいムガルシェラトンホテル。これまた立派なホテルだ。とにかく部屋へたどり着かなければ休むこともできない。体に鞭打ってなんとかホテルへ入る。入り口の所ではインド人の女性が歓迎の印に全員の額に何かを付けている。取りあえず無視して横を通り過ぎようとすると”ジャスト・モーメント”と言って制止される。が、ガイドがヒンディー語で何か言って通してもらった。すぐに、遅い昼食とのことだったが、とても食事を出来る状態ではない。急ぎでチェックインしてもらい部屋へ急行する。初めて1階の部屋だ、すぐにケースからパジャマを出して着替えさせ、ベッドへ送り込んで寝かせた。自分も汗をかいたTシャツを着替えてベッドへ入る。午後は大理石工場への見学(と案内しておいて実はみやげ物屋)が有るはずだが、明日は今回の旅行のハイライト”タージ・マハール”の観光がある。それが終わるとまたバスで200キロの道のりをデリーへ戻らなければ帰国できない。こんな所で死んでたまるか!...そもそも工場見学なんか出来る気力も体力も到底なかった。
ふっと目を覚ますと、もう夕方6時だった。いくらか寝たせいでやや熱も下がり37度になった。娘の体温を計る、まだ下がっていない。38度をやや越えている、このままではまずい。添乗員とガイドは例の大理石工場へ観光案内に行っていて、まだ戻っていない。やむを得ずフロントへ電話をかけて医者を呼んでもらうことにする。待つこと10数分、ガイドと添乗員が血相を変えてやってきた。「医者を呼んだのですか?」「ええ、娘の熱が下がらないので...」 現地ガイドが「フロントへ確認に行って来ます」と言って部屋を出た。しばらくして「25分位かかるそうです」と報告してくれた。医者は年輩の大男で、若い男の助手を連れてきた。まず、娘を診察してもらう。やっぱりどこの国でも体温の測定からだ。体温はなんと39度5分もあった。次に血圧を計る、これは正常。それから質問に移る。一通り「日に当たったかとか下痢、嘔吐があったかなど型通りの質問がある。日射病を疑っているのだろう。喉の痛みを訴える、どうやらバスのエアコンにあたりすぎて風邪をひいたらしい。医者はしきりに「インジェクション、インジェクション」と言っている。助手がなにやら注射の用意をしている。そうか注射を打ってくれるのだ。なんと体をひっくり返してお尻に注射を打たれた。
ついでだから私も診察してもらうことにする。私は昨夜からの下痢の事を話すと、やっぱりお尻に注射だった。得体の知れぬ毒々しいオレンジ色の馬鹿でかい錠剤と脱水症状を防止するためのアイソトニックドリンクの粉末を水に溶かして水代わりに飲むように指示する。
インドの医者のくれた薬 馬鹿でかい錠剤!
医者はオレンジ色の錠剤を指さしながら「朝、晩、朝、晩、朝、晩」カプセルは「朝、朝、朝、朝」小さい錠剤は「ワン下痢、ワン、ノー下痢ノー」と日本語で教えてくれた、わかりやすい。やはり日本人の患者も多いと見える。診察代は二人合わせて1500ルピー。日本円で考えると意外と安い、しかし公務員の給料が4〜5000ルピーということを考えると無茶苦茶な値段なのだろうなあ。保険に入っていて良かった。アメリカだったらとんでも無い請求が来るんだろうな。明日の夕方には帰国の飛行機だ、だるい体で一通り荷物を整理して準備する。そして早く寝た。
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