TOMさんの笠間センチュリーラン初参加レポート

 TOMさんはMTBを購入後、すぐにロードレーサーの魅力にとりつかれ、翌年ビアンキを購入。その後数ヶ月で無謀にも、センチュリーランに挑戦するという暴挙に出ました。以下は日立市内の草の根ネット”PICCLO ネット”に寄せた感動のセンチュリーラン完走レポートです。ご本人の承諾を得て転載します。

TOMさんご一家 愛車キャノンデールとビアンキ+プジョー

-------------------以下 TOM氏の書き込みより引用-----------------

 昨日の日曜日、「センチュリーラン笠間’97」に参加してきました。笠間を起点に筑波山の外周を大きく反時計回りに1周する、走行距離160kmのサイクリング大会です。

朝4時半に池の川運動公園をBIGBANさんのワゴン車で出発しました。今回参加したのは私とBIGBANさんを含め計5名のサイクリングスポーツクラブO2のメンバーです。会場の笠間芸術の森公園に5時半過に到着。すでに2台の他県ナンバーが門の前で仮眠中。中の駐車場に入ると二張りのテント組まで居ました。自転車をキャリアから降ろし準備していると小雨が降り始めてきました。6時半からの受付と車検を済ませ、フレームにゼッケン43を付け、7時半から開会式。開会式が終わる頃には、雨もやみ合羽を付ける必要は無くなりホッと一安心。そして8時からゼッケン順に10人ずつ1分間隔でスタートです。

 私は8時4分にスタートしました。路面の水を巻き上げながらグループの一番後を着いていきますが、時速約30km/hのかなりのハイペースで、いきなり面喰らいましたが、無理をして着いていったのが祟り約10km走った時点で右脚ふくらはぎの筋肉がつってしまい、自転車を止めマッサージ。こうしている間に後続車がどんどん抜かしていきます。マッサージもそこそこ、再スタートし16km地点で後から出発したBIGBANさん達が私に追いついてきました。「まだ1/10、脚がつるのは早いよ」と尤もな言葉を残し皆は先に行き、一人黙々とサイクリングは夕方まで続いた。

 いきなりつった右脚をかばいながら25km/hのペースで走ります。途中パンクでチューブラータイヤを付け替える人も見られます。少しでも皆に追いつこうと、自分よりちょっと早めのペースの人を見つけ、引っ張って貰う感じで着いていきますが、やはり長続きせず置いて行かれます。そしてまた別の目標を見つけては着いて行く、この繰り返しでなんとか最初のCP(チェックポイント)にたどり着きました。約40kmの地点だったと思います。背中のポケットから汗でよれよれの出走カードを取り出し押印してもらい、すぐまたペダルを踏みます。まだ1/3も走っていません。雲の隙間から光が漏れ始めてきました。前を走る目標を追いながら、サイクルコンピュータのオドメータばかり気になります。数キロおきにサイクリングコースを示す立て看板が道端にあり、要所には黄色のTシャツ姿の人が旗を振りコースミスをしないよう右折や左折を促してくれます。約60km位走った地点でしょうか交差点の右折がありました。前車に続いて車道の右折ラインに入り左足のビンディングをペダルから外したとたん、今度は左のふくらはぎがつってしまいました。前後を車に挟まれているので慌てて歩道に逃れようとしたのですが、片足では思うようにペダルが踏めず、もたもたしていると後ろから来た大型トラックに特大のクラクションを浴びせられました。あれは暴力ですね、精神的にこたえました。

 やっとの思いで半分の80km地点までたどり着いたのが11時20分頃です。近くのコンビニでカレーパンとオレンジジュースの昼食をとりました。ろくに休憩もとらずに25km/hのペースでしたので、この時点でもう体は疲れきり、腰から首筋にかけて張って痛みます。コンビニの駐車場で横になりましたが、目の前を通り過ぎて行く自転車を見ていると、自分が一番最後、つまりビリになるんじゃないかという不安に駆られて食休みもせず、すぐスタート。コースは筑波研究学園都市の中です。道路の状態も良く広いので車に気を使わず走れますが、交差点が多くちょっと走っては信号待ちの繰り返しが続きます。ビンディングの脱着が煩わしいですが、信号待ちにより体力が少しずつ回復してきたような気がします。しかし腰とお尻の痛みは走り始めるとすぐにやってきます。とくに腰の痛みは酷く30分位で休憩を余儀無くされます。漸く2番目のCPです。もう頭の中は真っ白な状態なので記憶は怪しいですが100km位だったと思います。ここから阿見町へ入り土浦市街を抜けます。霞ヶ浦には帆船が浮かびレンコン畑が所々にあります。疲れている割には脚が軽くなり景色を見る余裕がある自分に驚きました。工程の2/3を走った事を示すオドメータを見ることで気力が充実してきたようです。しかしこの元気も120km付近までしか続きませんでした。ここからが本当に辛く長い道のりでした。上り下りが多くなり、路面の状態が酷いところも結構ありタイヤを取られ余計な力を使います。この頃になると前にも後ろにも自転車で走る姿もほとんど見かけなくなり心細くなります。上り坂は直視すると挫けるので、路側帯の白線の上を進むタイヤだけを見て黙々とペダルを踏みます。ペダルが軽くなってきたことで坂を上り詰めたことが分かります。平坦な道を走る脚にも力が入らなくなってきました。変速機のギアはどんどん軽くなり平均速度も20km/hにまで落ちました。3番目のCPはまだか・・・

 オドメータは140kmを指しています。何のためにこんな辛い思いをしているのか、ほとほと嫌になった頃、サービスポイントがありポカリスエットとバナナを頂きました。ここにあった地図を見ると10km先に最後のCPがあり、その10km先が芸術の森公園つまりゴール地点です。あと20km、されど20km。時計を見ると3時10分です。この調子で行けば1時間後にはゴールできます。ゴールの制限時間は午後5時までです。気力を振り絞り出発の準備をしていると後続車が来て休憩していきました。その人は前後フェンダーに発電式ライトを備えた、いわゆる普通の自転車に乗る20代後半くらいの人でした。先に出発した私はあと10km先の地点にある最後のCPを目標にオドメータを見ながら、あと9km、あと8km、と自分を励ましながらペダルを踏みます。相変わらずギアは軽く平均速度は20km/hを割っています。しばらくすると後ろからさっきの普通の自転車に乗った方が会釈しながら私を追い抜いて行きます。良いチャンスなので夢中で後を追います。私よりペースが早いのになぜか着いて行けます。

 オドメータが152kmを指した頃最後のCPに着きました。あと10kmでゴールです。出走カードに押印後、すぐ出発しようと思ったのですが、腰の痛みとサイクリングシューズに締め付けられた足が痺れて、体が言うことを聞きません。しばらく歩道に寝ころんだ後、ゴールへ向けて出発しました。ここからゴールまでは今までになく上りが続きました。最後の難関です。何も考えずにひたすらペダルを踏み続けます。泣きたいくらい辛い坂が続きます。反対車線にはゴールし終えた人達が車に自転車を積んで帰って行きます。もうすぐゴールが見えると思うと感情が高ぶってきました。最後の坂を上り詰め惰性で下っていると係の方が旗を降っています。今までになく大きく横に振っています。ここを右折すれば芸術の森公園です。少し走ると公園の入口が見えました。涙が出ました。前が見えません。グローブの甲で涙を拭きながら公園の石畳を上ります。「もう少しだ、頑張れ」すでにゴールした人達の声援を受けながらゴールをしました。

 所要時間 8時間21分12秒の長く、そして感涙にむせんだ1日でした。

 センチュリー笠間’97に誘って頂いたBIGBANさんに感謝いたします。

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 その後、TOMさんは常陸太田ハーフセンチュリー完走、翌年にも雨の笠間センチュリーランも完走する等精一杯楽しんでおられます。

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