本当は書きたくなかった車の話

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 おのひろきさんのページに掲載された自転車の写真のバックに”スーパー7らしい車が写っていますね”と何人かの方からメールをいただいた。で、ここにその全貌を明らかにすることにした。

我が愛車Super7の近景

排気量

1600cc

最高速度

不明(試したことが無い)

最大出力

135馬力

原産国

南アフリカ共和国

定 員

2名

構 造

鋼管スペースフレームにアルミセミモノコック

重 量

580Kg

エンジン

コスワースチューン・ケントユニット直4 OHV

 

 自転車好きの私が、なぜか乗っている変な車の話

 ”自転車は環境にいいよ”と人に薦めていながら、自分はこんな車に乗っていたりする。(ゴメンナサイ)燃費は悪いし、騒音も激しい。形ばかりの触媒はついているけど本当に基準を満たしているかどうかはわからない。しかも、いつ何時どこが壊れるかわからない。夏は暑く、冬は猛烈に寒い。幹線道路を走るとトラックの吐き出すディーゼルの黒煙で耳たぶの中が真っ黒。どこを走っていてもじろじろ見られ、観光地の駐車場に入れば、決まって聞かれるのは「どこの車?」、「幾ら?」、「どの位スピード出るの?」。

いったいこんな車のどこがいいのかわからないと家族は言う。だから、隣に乗ってくれるのは一番下の息子だけ..カミサンは滅多に隣には乗ってくれない。こんな車は環境に良くないと言うことはわかっている。だけど、この車の魅力はそれだけでは捨て切れない。およそ一般公道を走れる車の中では最もレーシングカーに近い車だと思う。

 アクセルを踏めば踏むほど頭の中がパーになるその加速、ハンドルは研ぎ澄まされたナイフのごとく良く切れる。4輪ディスクのブレーキは路面に黒々とスリップ痕を残すほど良く効く。この車ほど”走る”、”曲がる”、”止まる”の車としての基本性能を極めた車は無いだろう。反面、その構造は人間の体をクラッシュから守るには余りにも華奢だ。全長わずか3.4mほどの小さな車だ。だが道路上での存在感はポルシェやベンツにも劣らない。周りの運転手がよそ見をして事故を起こさないかと心配になることさえある。車庫に置いてあるときも覗きに来る人が後を絶たない。曰く”えっ!道路を走れるのですか?”...”えっ!ナンバーがついているのですか?”....

 どうしてこんな車が、堂々と一般公道を走行できるのかと不思議に思えるほどの特異なフォルムと、そのクラシックな外観に似合わない高性能で、今でも人気のある車だ。オリジナルは英国ロータス社のロータスSuper7に端を発し、ロータス社が生産を中止した現在でも世界各地でレプリカが作られている。この車はその中でも比較的安く、形もオリジナルの7に酷似している南アフリカ共和国のバーキン社の生産する車である。日本の光岡自動車でもレプリカを製造している。

そもそも、どうしてこんな車を買ってしまったのか?

 今を去ることおおよそ30年も前の話だろうか?とある自動車雑誌のグラビアにロータス7なる車の写真が載っていた。まだ免許をとって間もなかった私はその強烈な個性にすっかり虜になり”いつかは7”と思ったものだった。以来7が載っている雑誌は必ず購入し、7が私のものになる日を夢見ていた。大学を卒業して自営業の実家に戻り、父の後継者としての修行を始めて、どうにかこうにか平社員としての仕事を覚えたばかりの頃、父が急死した。慌ただしく葬儀を終えた翌日には社員に給料を支払わねばならない立場になった。その後、経営面や金銭面では、何年も胃に穴でも開きそうな思いをしたが7への夢は捨てきれなかった。7を購入しようと思ってこつこつ貯めてきた貯金は相続税となって消えた

以後は昭和の好景気の時代も終わり、現在に続く不景気の始まりとなる。さらに10数年後、周辺商店街の環境の激変によりこれ以上続けていてもじり貧で、いづれは社員の退職金も払えなくなる時代がやってくるだろうと覚悟を決め、父の代から50年近く続けてきた店を廃業した。廃業を決めるまでには1年近くも一人で悩んだ。閉店セールの売上金で社員には某かの退職金を支払い、円満退職してもらった。店を経営していた頃は世間体もあってこんな車を購入することは出来なかったが、廃業でそういうこととは無縁になった。

さて、普通の人が、この車を購入する場合、何が一番のネックか?それは家族である。それもカミサンだ。以前から上京したときに販売店へ足を運んで実物を見せたりしていた。初めて実物を見たカミサンは”嘘でしょ...こんな車、いったいどこで乗るの!?....” だが、そんなことで諦める私では無かった。結婚以来10年以上に渡って”いつかはこの車を買うんだ”と言い続け、関係の雑誌、プラモデルを買い続けた私ではあった。廃業後、”それほどまでに、欲しいのなら買えば....”と、ようやく許可が出た。そういうわけで、いよいよ7を購入することとなった。

セブンに自転車は積めるのか?

その答えは下の写真をご覧頂ければ氷解する。とりあえず2台までは問題ない。私はこのままの格好で息子と走りに行くこともある。さすがに大会会場へ乗り付けたことは無い。

キャリアはTHULEのRMSを使用している。

型番は不明だがアメリカから個人輸入した物で国内には無い物。偶然にもセブンにぴったりフィット。ストラップはセブンに合わせて自製した。下側のストラップはスペアータイヤのラックのパイプに引っかけるために?型の金具を使用している

セブンの運転席は狭い。特に助手席は足が伸ばせず、最悪だ。そのため、アルミ板で台形の箱を作り足下のスペースを延長した。これで助手席の居住性はかなりよくなった。しかし、夏場は熱いマフラーを左側に抱えているので信号待ちは暑くてつらい。過去に2名ほどマフラーで火傷している。

異常に低い最低地上高のために2段式駐車場には駐車できない。踏切を横断するときも要注意だ。ミッションのガードパイプが線路の溝に引っかかると脱出困難。列車が来たらアウトだ。ガレージの入り口も緩いスロープにした

 

運転席のペダル間隔は非常に狭く、普通の靴ではブレーキとアクセルを踏み分けるのは困難だ。アクセルペダルの幅は親指程度。クラッチの左側の壁は靴と擦れて塗料が剥げている。

マフラーの重みで排気管が次第に下がってしまう。2名乗車の時に排気管の最下部が地面に擦れることがある。重量を支えるためにマフラー後部を支柱で支えるように改良した。

エキパイの集合部との接合は2番のパイプの裏側に耳があってネジで固定されていたが、振動で割れた。写真では少々わかりにくいが、前後にピンを溶接してモーターサイクルの様にバネで支えるように改良した。

 

セブンは特殊な車だ。だからトラブルも多い。普通の車では考えられないような故障もある。

最初の故障はスロットルワイヤーの切断だ。走行僅か2000キロ。踏んでも回転が上がらない。それどころか無理矢理踏むと今度は戻らない。点検してみるとワイヤーがほつれてアウターの中で動きが渋くなっていた。出先だったためにアイドルを高くして、だましだまし自転車屋まで行き、ママチャリのブレーキワイヤーで代用した。

家まで帰ってほっとしたのもつかの間。翌日はなんと、クラッチが切れなくなった。これもワイヤーのほつれだった。原因はクラッチワイヤーのダルマをクラッチのレバーに取り付けるビスだった。スリーブも無しにネジ部で受けていた。そのため、クラッチペダルを踏むたびにダルマの中にネジが切られていったらしい。やがてダルマが首振り運動をするようになり外側のワイヤーが金属疲労ですべて切れ、芯だけでかろうじてつながっていた。ワイヤーはディーラーから無償でもらい、自分で交換した。ネジはネジ部の短い物と交換し、ネジの胴部で受けるようにした。以後は念のため必ずクラッチワイヤーのスペアーを積んでいる。

金砂郷町の農協直売所へ行ったときにフロントサスペンションの取り付けボルトが前方へ数センチほど飛び出していた。原因は取り付けボルトが短すぎてロックナットのナイロンの部分まで届いていなかったからだ。危うくタイヤがサスペンションもろとも、どこかへ飛んでいってしまうところだった→クレーム修理してもらった。

さて、次は命に関わる大故障...なんとガソリン漏れだ。ガソリンを満タンにしていつものようにガレージに入れておいた。夕方ガレージの鍵をかけるために行ってみると、なにやらガソリン臭い。シャッターを開けてびっくり、ガレージの床にはガソリンが水たまりの様になっていた。急遽携行缶に残ったガソリンを吸いだしたが、わずか数リットル。ガレージ内には30リットル以上のガソリンをぶちまけてしまったのだ。原因はアルミのタンクの折り曲げ部分に亀裂が入り、そこから漏れていた。購入後1年と経っていなかったので、これもクレーム交換となった。

ガソリンタンクを交換して戻ってきたセブン しかし、今度は電気系統に故障が発生した。これは修理の時に作業者がどこかのケーブルに傷を付けてしまったらしい。ブレーキランプが点灯しない。始末の悪いことに手の届かない所で断線していた。どこかに挟まっていて引っぱり出すことも出来なかった。おまけにスピードメーターが動かなくなって帰ってきた。ワイヤがミッション部の取り出し口の所から外れていた。しかも、エンジンを下ろさないと手の入らない位置だった。 結局、作業ミスということで再度横浜まで往復。

これだけの故障が僅か1年ほどの間に発生した。もう、ちょっとやそっとのことでは驚かない。次なる故障はやはり電気系統でハザードやフラッシャーランプが点灯しなくなった。近くの自動車修理工場でフラッシャーリレーを購入して交換。工場の方の話では”こんな旧式のリレーは今時珍しい”と言っていた

次にやってきたのは、ご多分に漏れず...いやオイル漏れだ。走行中にオイルパンに亀裂が入ったらしくエンジンオイルが漏れてきた。これはさずがに自分のところには設備がないので、修理工場へ持ち込んでオイルパンを外してもらい、別な工場へ持っていって溶接してもらった。ついでにオイルパンの一番前の部分に少し厚手の鉄板を溶接して補強した。

次のオイル漏れは油圧計の油圧の取り出し口だった。シリンダーブロックに打ち込んだニップル部から漏れている。旋盤加工したニップルに市販のマイクロカプラーを溶接して修理完了。ホース側から漏れてもカプラーを抜くだけで油圧計が読めなくなるだけだ。

冬場に凍結した路面でスリップしてノーズコーンと前輪のフェンダーを小破した。ともにグラスファイバーなので近所には修理できる工場が無かった。やむを得ず模型店でファイバーと樹脂を購入して自分で直した。だから今でもその傷跡が残っている。まあ勲章みたいな物だ。その後、年寄りの冷や水と言われないように慎重に運転している。

その後、何度かトラブルに見舞われたが、その都度いろいろ工夫しながら修理して現在に至る。ごく最近では、キャブレタからガソリン漏れが発生してホースのガスケットを交換した。

2000年10月 右後輪側からオイルが漏れていた。ブレーキオイルだった。点検してみるとアクスルに沿っているオイルラインが、キャリパーに入っているところに亀裂が発生していた。ゴムホースが無、金属のパイプが直接キャリパーに入っているのでアクセルオンオフの度に僅かにアクスルシャフトが前後に回転するために金属疲労を起こしたらしい。応急処置として、亀裂の入ったところで切断してフレアー加工して取り付けた。ついでに、冷却水を交換。

2001年3月 トランクルームのスペースが狭く、幌さえ積むにも一苦労。そこで、プラスチック成型品のバスタブみたいなトランクルームをそっくり取り外し、燃料タンクぎりぎりの位置にベニヤ板で底板を作り、アルミ板でサスペンションのカバーを自作して取り付けた。心持ち広くなったかなあ?....

2001年9月 走行中に左フロントのフェンダーステーが金属疲労により破断した。タイヤに擦れて走行不能となった。かねてより工具袋の中に忍ばせてあった針金やあり合わせの物でなんとか走行できるように応急修理をして自宅まで帰る。直ちにステーを外して懇意の町工場に持ち込み溶接してもらった

2003年5月 以前から少しずつ冷却水がウオーターポンプから漏れていたのだが、とうとう対策を施さなければならない状態になった。部品は幸いにもインターネットですぐに入手できた。ポンプを交換するついでにクーラントも交換した。

2003年10月 これまでに、幌を取り付けて走行したのは、燃料タンクの修理から戻ってきたときに幌がついた状態で受け取った時だけだ。結果、幌はいらないと決断し、フロントウィンドを取り去り、自作のレーシングスクリーンを取り付けた。材料は5mmのアルミ版、ガラス、飛散防止フイルム、若干のネジ類とバイク用のミラーである。高さおよそ10センチほどのスクリーンの効果はなかなかよろしい。より風を体に感じながら走行することが出来る

2004年5月 以前から気になっていたのだが、停止状態で据え切りするとラック&のピニオンマウントが左右に少し動く。当然ながらハンドリングをスポイルしているはずだし、このまま放置すればマウントの付け根あたりにクラックが入って壊れてしまう可能性もある。そこでアルミの板とアングル材でマウントの上部をネジでフレームにボルトオンで連結固定して動かないようにした。ほんの僅かの改造だが、効果は劇的でハンドリングは一段と向上した。

2004年9月 車検を受けた。以前から気になっていた車検有効期間のシールが小さくなったので、自作のレーシングスクリーンに張ることが出来た。

2004年11月 走行前の点検で、以前修理した左フロントのフェンダーステーの別な部分にクラックを発見した。今回はブラケット部の前の方である。直ちに取り外して溶接・修理した。

いくらセブンが好きでも家族持ち、セブンだけでは生活できない。大会のエントリー等も困難だ。というわけで我が家にはあと2台の車がある。

VWヴァナゴンとスズキワゴンRワイド

VWヴァナゴンのダッシュボード

スズキワゴンRワイドのダッシュボード

VWヴァナゴンは現在輸入されていない。室内が広く、大量の荷物を積んでの長距離の遠征も苦にならない。なぜこの車が国内であまり売れなかったのか不思議だ。今でも大会会場へ乗り付けると”中を見せて欲しい”という人が何人もいる

ヴァナゴンはルーフに6台リヤに最大3台 計9台の自転車が積める。ワゴンRはルーフに2台リヤに2台 計4台搭載可能 サイクリストのフィギアーは20年以上も前に某ショップで購入、現在は入手不可

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