2. 3月13日 チュニス〜ケルアン

 チュニスへの所要時間は2時間ほど。地中海を一気に飛び越えると、そこは私にとって、初上陸のアフリカ大陸だ。入管で、職業や入国目的について簡単に訪ねられた。皆さん、すんなり通って行ったのに、どうして私だけ、いろんな事訪ねるのだろう?そんなに怪しいのかなあ?入国カードの書式がガイドブックとちょっと変わっちゃって、解りづらかったせいもある、少々適当に記入しちゃったせいか? 外には、すでに現地ガイドが待機していた。年の頃30代くらいの恰幅の良い男だ。今回、ツアーの総勢はなんと43人とのこと。添乗員も大変そうだ。チュニジアの公用語はアンミーヤと呼ばれるアラビア語の方言とフランス語。多少はアラビア語を囓ってきたとはいえ、ごく簡単な挨拶程度しか覚える暇はなかった。フランス語は、からっきし駄目..。もう少し、語学の勉強をすべきだなあ、と自分の無学を恥じる。よし、帰ったらフランス語の勉強をするぞ!

 空港の外は、春とはいえ地中海性気候のせいか、シャツ一枚でも少し汗ばむほど暖かい。天気も最高、日差しも強い。バスはボルボの大型バス、前と中程にドアがあり、後部座席に座った人も出入りが楽だ。チュニス市内に向かったバスは、ブルギバ通りをかすめて、そのまま昼食のレストランへ直行。道路の両側にチュニス湖が広がる。市内からやや離れた、郊外のレストランへ到着。今日の昼食は魚のスープ、チュニジア風サラダ、焼き魚だ、スープは慣れない人には、かなりきつい魚の脂臭い。サラダはたっぷりのオリーブオイル掛け。魚は塩味のない淡泊な物で、メインディッシュにはやや物足りない。パンは中身が柔らかくて、みっちり詰まったフランスパン、これは十分なクオリティ!飲み物は、とりあえずチュニジアでも一番メジャーなセルティア。バドワイザーのような、すっきりしたのみ味の、軽いビールだ。4人がけのテーブルには私とMさん、熟年のご夫婦がついた。Tさんとおっしゃるそのご夫婦は、かなり旅慣れたご様子。伺ってみればモロッコ、ネパール、インド等々、世界中、行っていないところの方が少ないのではないかと思えるくらいあっちこっちに行っておられるそうで、お話を聞いているだけで驚いてしまう。窓際の席だったので外の様子がよく見える。窓の外はちょうど交差点になっていて、はす向かいは5階建てのビル。その他には、さして大きい建物はない。ほとんどの建物が白く塗られ、窓の格子だけが例のチュニジアンブルーに塗られている。あちこちの建物の屋上には衛星放送のパラボラがたくさん見える。大きさや向きもまちまちだ。

脂臭い魚と旅仲間のMさん→

 食事を終えて外へ出てみる。脇の道路にはベンツが駐車していた。店の前に置かれたテーブルでは老人が一人で食事をしていた。一行は、食事を終え、それぞれ辺りの風景を眺めたり写真を撮ったりしている。今日の空は、青空は見えているものの白い雲が多い。添乗員に促されてバスへ戻ろうとすると、件の老人が食事を終えて、その側に駐車してあったベンツでおもむろに立ち去る。なんという国だ!どうしてベンツに乗るような人が、あんなところで食事なのかなあ?

 午後 車は内陸の町ケルアン(カイロアン)へ向かう。郊外へでると、思った通り、道はあまり良くない。道の側には、うちわサボテンが生えている。サボテン以外にも多少の植物は生えているが、鳥などはほとんど見かけない。南へ下るにつれて砂漠地帯へ入っていく。日本で想像する砂漠というより土漠と言ったほうが正しいだろう。乾燥地帯故、舞い上がる土煙が凄まじい。舗装された道路の上にも砂が堆積している。

ローマ水道橋

 ローマ水道橋はチュニスへ水を引くために築かれたローマ時代の遺跡で、現在も30キロ以上にわたって保存状態の良い部分が残っている。往時には140キロ近くもの長さがあったそうだ。しかし、状態が良いとはいえ、痛みがひどく、アーチ部分が崩れかかっている部分も方々にあった。今は、幹線道路に沿っている写真の部分だけが、遙か彼方の地平線の果てまで続いているように見える。この道路は、荒野の、ど真ん中というのに結構交通量が多く、迂闊に道路を横断すると事故に遭いそうだ。路面はアスファルトだが熱でやられるのか、交通量が多すぎるのか、かなり波打ってうねっている。車にばっかり気を取られていると、転びそうだ。

こんなのが延々と30数キロも残っている

ケルアン                   貯水池/水は非常に貴重なのだ→

 アグラビットの貯水池は飲み水の確保のために築かれた古代の貯水池。古いと言うだけで特に珍しい物でもない。観光コースにはどうなのかなあ?という程度のシロモノだ。(ごめんなさい)ここ、ケルアンは9世紀のアグラブ王朝時代には絶頂を極めたそうだ。

 ケルアンのメディナ

メディナというのは城壁に囲まれた旧市街で、ケルアン以外にもあちこちにある。ケルアンのメディナはさほど広くはないが、一通りの説明を受けた後、自由行動になる。時間もあまり無く、ほとんどメインストリートを行って帰ってくる程度の時間しかなかった。しかし、やはり拘束されずに自由に歩き回るのは非常に楽しい。ここのメディナはさほど広くは無いそうだ。だがチュニスのメディナは迷い込むと、とんでもないことになるほど広く、迷路のようになっていると聞く。そこで、今回は携帯GPSを持参でやってきた。早速電源を入れてみるが、日本からの移動距離が大きすぎて、衛星の補足に時間がかかって、すぐには使えない。やれやれ最新兵器も形無し。メディナの一角でCDショップを発見。コーランのCDをさんざん値切って買った(つもりだったが、後であけてみたらCDRの海賊版!やられた!)

ホテルの部屋はシンプルそのもの

 今夜のホテルはアグラビットの貯水池の近くのコンチネンタルホテル。外壁は白一色に、チュニジアンブルーの窓枠と、実にシンプル。部屋は“こんなに広くていいの?”と思うくらいゆったりとしていて内装も実にシンプル。なにしろ色の付いている物は、真っ赤なカーテンとベッドの毛布くらい、あとは全くの白。風呂の湯は全開にしてもほとんどぬるま湯。備え付けられているのはタオルと石鹸だけ。ふむふむ、これがチュニジアの三つ星クラスか..。当然、冷蔵庫、ポット(湯沸かし)なんてものも望むべくもない。それどころかコンセントが無い。とりあえず今日、撮影した写真データをパソコンにバックアップする。コンセントがないのでパソコンや、カメラの電池を充電することも出来ない。トイレは、水こそ流れるが紙を流すと詰まってしまうとのこと。これは、どこのホテルでも事情は同じとか。以後、ペーパーを使うことはやめて、全て現地式に水で洗うことにする。“郷に入っては郷に従え“で、慣れてしまえば気持ちいい。かえって紙で押しつけてしまうよりもよっぽど清潔だ。食事の前に昨日からの汗くさい下着を脱いで一汗流し、すっきりする

 食事は、スープから始まり、チュニジア風サラダ、メインディッシュ、パン、それにデザートの甘いお菓子。ワインを頼んだ、ここは当然赤ワイン。どんな物が出てくるか?ガイドブックに“美味しい”という評価の出ていたMAGONが飲みたかったが、無かった。どこぞの、シャトーワインだそうだ。悪くはないが、軽くてこれといって評価できるワインではない。ごく当たり前のテーブルワインだ。テーブルには、当地の名物ハリッサがある。ハリッサは唐辛子のペーストで現地の人は、これをちょうど醤油のように色々な料理に使う。サラダにハリッサをかけて食べると、ぴりっとした刺激的な味が実に良い。だが、辛い物とワインとの相性はあまり良くないな。

ホテルの廊下/タイルの装飾が非常に綺麗→

注)携帯GPS

カーナビに使用されているGPS(グローバル・ポジショニング・システム)を携帯電話サイズに凝縮した物。アメリカのGERMIN社が有名です。右の写真はGERMIN社のeTrex(英語版)最近は衛星の信号精度が上がり、条件の良いときには、わずか5mという高精度で緯度経度がわかる。もちろんナビゲーション機能により登録地点にナビゲートできる

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