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朝5時、遠くからコーランが聞こえる。ああ、やはりここはイスラムの国だ。だんだん夜が明けてきたので、外の散歩に出る。とりあえずホテルの玄関で、昨日、使用できなかったGPSの初期化を試みる。待つこと約10分、4つの衛星を補足することが出来た。これで、今日から役立つだろう。ホテルの庭は玄関の周りだけちょっと綺麗に整備されているが、中庭や横の方は荒れ放題と言う感じだ。しかし、ホテルの建物内はあちこちに非常に美しいタイルの装飾がなされている。全体に小綺麗だ。過剰な装飾が無く好感がもてる。朝食はいたって質素、パン、紅茶、ゆで卵にジュース。
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グランドモスク
朝からの観光は上記の2カ所。ケルアンのグランドモスクは周囲を高い城壁で囲まれ、イスラム世界では4番目という重要な位置にある。現在の建物は9世紀の物だそうだ。観光客が入れるのは中庭までで、建物内部は外からちょっと覗くだけ。雨の少ない土地柄だけに、中庭が中心部に向かって傾斜しており、中央部に設置されているタンクに水を貯めるような工夫がされている。タンクへの注ぎ口の部分には、巧妙にゴミなどを取り除く濾過装置が作られているのが興味深い。北側には、高さ35mもの塔があり、ここでコーランが唱えられる。何回かに渡って高さを嵩上げされている。11世紀に建てられた物だそうだ。
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グランドモスクの塔
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貯水タンク
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シディ・サハブ・モスクはグランドモスクより、やや下った13世紀頃に建てられた物で、内部に華麗なタイルの装飾があるのが特徴だ。中庭のある構造は同じだが全体に小降りである。偶像崇拝を否定しているイスラムの建築なので、模様は植物や動物をかたどっている。天井付近の、巧妙かつ緻密な、透かし彫りの装飾が非常にすばらしい。
華麗なタイルの装飾に一同唖然→
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絨毯工場
ここは、格安ツアーに付き物の土産物屋だ。定番通り、こんなに大変な思いをしながら作っているんだよ、という現場を見せてから、各種絨毯の展示販売....。まあ、悪くは無いけど、トルコの絨毯を見てしまっている私としては、若干粗悪品にしか見えない。まあ、それでも比較的高価な物はそれなりに良くできていて、絵柄もなかなか素晴らしい。私は、ミントティだけごちそうになって飲み逃げ..。その後、バスはトズールへ向けて出発する。途中で、スベイトラの遺跡に立ち寄る。
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毛糸のミサンガをもらうMさん
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スベイトラ遺跡
スベイトラは、チュニジアにとってもっとも重要な産物である、オリーブオイルの産地だったそうだ。昔からそのオリーブオイルを狙って侵略されている。現在、残っているスベイトラの遺跡はローマ・ビザンチン時代の遺跡で浴場跡や、オリーブオイルの圧搾台、神殿などが残っている。往時は1万人もの人が住んでいたそうだ。トルコのエフェソス遺跡のように、メインストリートには商店の跡らしき物も見受けられる。規模はエフェソスには到底及ばない、使われている岩石は茶色っぽい砂岩のような石だ。
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オリーブ圧搾台
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神殿
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バスはさらに南下して、トズールへ向かう。バスの後方はもうもうたる土漠だ。背の高い木も、所々に生えているが、ほとんどの植物は道路脇のサボテンか半分枯れかけたような背の低い雑草だ。夕方5時近く、突然目の前に巨大な緑が広がる。ここが、オアシスの町トズールだ。この町では灌漑設備を非常に合理的に配備して、灌水地域を時間で分けたり、複雑な水路を造って古くからナツメヤシの栽培をしてきたそうで、約20万本ものナツメヤシが生えているとのことだ。もう、そこらぢゅう、ナツメヤシばかりで、それ以外は無いのじゃないかと思われるほど、たくさんのナツメヤシが生えていた。ここでは、今回のツアーから採用されたという馬車ツアーのオプションが有った。半数ほどの人が下車して馬車ツアーに出かけた。馬車は、と見ると従来、荷物の運搬に使っていた馬車を観光客の増加に目を付けた頭のいい奴が観光用に転用したみたいな馬車だ。私は、バスでそのまま、サハラ動物園に向かう。
“なぜここまできて動物園なのかなあ?”なんてMさんと話す。動物園前で、馬車ツアーの面々が到着するまで辺りを散策する。通りは舗装もされておらず、ただただ、砂に埋もれているばかり。どこからやってくるのか、山羊の群が道の真ん中を闊歩している。建物の屋根の上には巨大な砂漠のバラが無造作におかれている。やがて馬車組が到着し、動物園に入る。まあ、小規模ながら一応動物園。ラクダをはじめとする、さして珍しくも無い動物が展示されている。しかし、面白いのはその動物園専属の現地人ガイド。片言の日本語で“サバクノヘビ”とか“サバクノオオカミ”とか解り切っていることを解説してくれる。彼が、ガイドブックにも出ている有名なオッサンだ。馬鹿馬鹿しいが、コーラを飲むラクダなんてものまで披露してくれた。何のことはない、1/3ほどコーラの入ったペットボトルを、くわえたまま、ラッパ飲みするだけだ。コーラを飲むことが珍しいかどうかわからないが、ラクダは一度に100リットルもの水を飲むことが出来るそうで、コーラのラッパ飲みなんて、どこのラクダでも出来そうだ。
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内陸の道路はもうもうたる
土漠だ。
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町の中をのんびりと山羊が歩いている。本当にのどかだ。道路は舗装されておらず、一面の砂、砂、砂.....
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ガイドブックにも出ているコーラを飲むラクダ
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宿泊は トズールのホテル“オアシス” この日は早めにホテルへ到着した。一行は43人、スーツケース持参の方たちは、荷物が部屋へ届くのに時間がかかる。私とMさんは、ボストン一つなのでさっさと、自分で運ぶ。夕食まではかなり時間があるし、まだ、明るいので一緒に街の散策に出る。さほど大きな町ではない。ホテルの前のアブ・エル・カセム・シャビ通りを南西の方へ、約1キロほど歩いてみた。建物の表面は日干し煉瓦で色々な模様に装飾されていて実に面白い。よく観察してみると、どうやら、日干し煉瓦が使われているのは表面だけで、内部は普通の中空構造の焼成煉瓦のようだ。それにしてもあの煉瓦、どうやって作るのだろうか?日本の煉瓦のように無垢ではなく、正方形の穴が12ほど開いている。ちょうど3センチ角のパイプを12個束ねたような形だ。
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あちこちで見かけた中空の煉瓦。いろいろな形の物が有るようだ
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大きさは断面が10センチ×16〜7センチ位だろうか。肉厚は5ミリ位しかない。たぶん、“ところてん“の様に押し出して作っているのではないだろうかと想像する。(後日、地方によって大きさがもやや違うことが解った)それにしても、この煉瓦で全ての壁と床(驚くべき事に床も煉瓦一層のみ))が作られていて、いったい強度はどうなのかと心配な位だ。高層ビルさえも、柱と梁の間はすべてこの煉瓦で充填されている。
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散歩の帰り道は、通りの向こう側を歩いて戻る。夕方とあって、オープンカフェやレストランは、人々でいっぱいだ。日本人が珍しいのだろう。さかんにじろじろ見られる。(というより、女性であるMさんの方が目立っているのだろう)観光客目当てに声をかけてくる売り子はほとんどいない。八百屋の店頭には、オレンジが山のように並んでいた。現地の老人が、品定めをしながらオレンジを買っている。Mさんもオレンジ10個ほど買う。価格は1D(ディナール約98円)でお釣りがくるほど安い。
オアシスホテルの廊下は迷路のような複雑な通路が続き、部屋にたどり着くのにも一苦労。部屋にはあちこちに、生のお花が各所に飾られ、なかなかいい雰囲気。熱くはないがちゃんとお湯が出た!でも、トイレの排水はあまり良くない。この日は食事の後、部屋へ戻って、Mさん、お一人で参加していたAさんと3人で、日本から持ってきた酒を飲み交わした。Aさんは60歳くらいの男性で、よく一人で旅をされているそうだ。チュニジアへ一人でやってくるくらいだからかなり旅慣れた感じだ。お開きになってからカメラのデータをバックアップし、パソコンや電池を充電して明日に備える。でも、翌朝のオプショナルツアーに参加しない我々は、ホテル出発が10時なので気が楽だ。しかし、少々飲み過ぎたようで、夜中に何度も目が覚めて熟睡できなかった。
この日の移動 約350キロ
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