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メディナ
昼食後、最後のお楽しみのメディナだ。昨日は店があいていなかったので面白くなかったが、今日は楽しめるだろう。レストランからメディナへは歩いて行く。人数が多いことと、付近の人通りも多いと言うことで、添乗員から私とMさんには一番後ろから来て、脱落者が出ないように気を付けて来て欲しいと言われる。よっぽど旅慣れていると思われたらしい。メディナまでブルギバ通りを歩く、昨日も歩いた見知った通りだ。ババウ・ブハールから、メディナのほぼ中央にあるグランドモスクを目指す。狭いながらもメインストリートとも言える、ジャマー・ジュトナ通りに入る。人通りは非常に多い。広くなったり狭くなったりしている通りを、多くの人が行き来しているので、我々の一行もついつい行列が長くなってしまう。言われたとおりに最後尾について、急ぎ足で歩いていった。やがて一行はグランドモスク前へ到着。
ここで解散して自由行動となる。私はMさんと連れだって西の方へ行ってみる。途中で北の方へ曲がると貴金属や金物を売っている界隈に出た。さらに東へ曲がりしばらく進む。通りの名前は解らないが衣類や布地ばっかり売っている界隈を過ぎて、ぐるりとモスクを迂回するように進む。もう、どの当たりなのかよく解らなくなってくる。やがて、歩いているうちに、仲良くなったSご夫妻に遭遇した。同じ方向へ行かれるというので、しばらく、東の方へ進む。通りを行くに連れて売っている物が少しずつ変わっていく。香水(エッセンシャルオイル)を売っている店がずっと続いたかと思うといつの間にか食料品屋ばかりになったり、各種ハーブ(乾燥した植物体を丸ごと)ばっかり置いている店が並んでいたりと、歩いていても飽きない。そのままどんどん歩いていくとやがてメディナの外へ出てしまった。同じ通りを戻ってもつまらない、とばかりに外周に沿って右回りに進んで、あまり人通りの無い通りから再びメディナの中へ入る。
地図を持ってきていないのでいったいどの当たりなのかさっぱり見当も付かない。道路の両側は、ほとんど一般の住宅みたいな所で商店はあまり無い。時間までに元のモスクへ戻らなければならず、ちょっと焦る。メディナの中の道路は真っ直ぐ歩いてきたつもりでも、緩やかなカーブになっていたりして、いったいどちらが北なのか南なのかも解らなくなってしまいそう。分かれ道へ来るたびに、あっちだこっちだと言いながらモスクの方と思われる方向を目指す。なにやら建築関係の部材を作っている工場らしき物まである。右だ、左だと進むうちに見覚えのある通りへ出た。もう、あまり時間もないのでここからは、来た道を逆にたどって戻ることにした。到着したのは集合時間のほんの数分前、どうやら私の時計が7分も遅れていたようだ。危うく皆さんにご迷惑をかけてしまうところだった。残ったわずかな時間で水の買いに行った。再び最後尾についてメディナの外のバスの待機している所へ向かった。
おなごり惜しいが、これですべての日程を消化した。バスはチュニス空港へと向かう。空港でのチェックインの時には、かなり旅慣れていると見られたMさんが添乗員に“お荷物少ないでしょうから、先にチェックインして皆さんのお手伝いをお願いします”と頼まれた。で、私とMさんが一番先にチェックインをして、順次、皆さんの出国カードの書き方や、座席番号のチェックのお手伝いをした。全員がチェックインを済ませると、同じく最後尾について出国ゲートに向かう。ところが、ゲートに入る直前に一人の女性の方が“クレジットカードを無くした!”と言い出した。“どうすればいいでしょう”と私に聞かれても“すぐにカード会社へ連絡するしかないでしょう”としか言えない。添乗員に話し、その場で少し残っていたディナールを、電話代にカンパしてさしあげた。後のことは添乗員に任せ、出国する。
免税店を覗いていたら、あれほどさんざん探していたSIDI
SAADを見つけた。2本で1箱に入っている。価格は思ったほど高くはなかったが、2本となるとやや嵩張ってしまうので、ためらっていたら、後からやってきた添乗員が“いろいろお世話になりました”と声をかけてきた。件のワインの事を“ここでやっと発見しました”なんて話したら、“そうなんですかあ、私も一度も飲んだこと無いから、お礼代わりに私が2本買って、一本差し上げます”と言われ、おもいがけなくSIDI
SAADを手に入れることができた。
パリまでの2時間はあっという間。だが、バリでのトランジットは1時間しかない!格安ツアーの定石で、座席は後ろの方だ。それゆえ、飛行機から降りるのに時間がかかる。急いで飛行機を降りたところで、添乗員から座席の番号について連絡がある。同室の方が隣に座れるように調整してくれた。私とMさんは、お手伝いしてくれたからと、それぞれ通路側の席を確保してくれた。一行の最後尾について、走るように空港内を移動する。出発ロビーに付いたところで、すぐに搭乗。ぎりぎりセーフだ。成田行きに乗ってさえしまえば、とりあえず安心だ。ソースのかかった機内食の魚が実に美味い。帰国便の12時間は殆ど寝て過ごしたので、あっという間だった。
成田でも降りるのに時間がかかる。バスの出発までわずか30分。入国後、挨拶もそこそこに、荷物を抱えてバスの切符売り場へ走る。残念無念、ほんの数分前に出たばかりだった。まあ、1時間後に最終バスがあるので、その切符を買う。お世話になったMさんを空港駅の改札口まで見送り、“じゃあ、またね。”と、お別れする。本当にさわやかな人だ。また機会があれば、どこかへご一緒したい。しかし、いくら気が合うからと言っても彼女は独身女性。そういうわけで、今回、家内には余計な心配をかけてしまったが、神掛けて、疑われるようなことはしていない。何も言わず送り出してくれた家内には感謝している。はじめて踏み入れたアフリカの大地は、強烈な印象を残した。帰国してからも数日間は、あのマトマタの荒野が夢にまで出てきた。”旅”って、なんて素晴らしいのだろうか。帰国したばかりなのに、次の旅行計画を考えている私であった。イスラム圏は面白いけど、少々埃っぽい。次回はぐっと趣を変えて、違うところへ行こうかなあ....。
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