2. 1月17日 イスタンブール〜チャナッカレ

 翌日は6時のモーニングコールを待たずに5時前に目が覚めてしまった。昨夜までの疲れもあってぐっすりと眠れ たので非常にさわやかな目覚めだった。耳をすますとなにやら遠くから声が聞こえる。ああ、これがうわさに聞くコーランだ。 イスタンブールの朝は遅く、外はまだ暗い。食事時間の7時頃になっていくらか明るくなってきた。今夜はチャナッカレ泊と なるので、手早く荷物をまとめて廊下へ出しておく。食事は定番のバイキング形式。スープ、ジュース、パン。パンは好きな 種類の物を自分で切ってくる。チャイが非常に旨い。角砂糖をかじりながら数杯ほどおかわり。 食事を終えたが、バスの出発までまだかなり時間があったし、もう荷物をまとめてしまって部屋へ戻る必要が無いので外を散歩 する事にした。KAご夫妻は海の方へ行ってみるとの事だった。私は反対に山の手の方へ行ってみることにした。 ホテルの前の急な坂道を登ること数百メートルで、路面電車の通るイェニチェリレル通りに出た。朝の通勤ラッシュなのか結構人がたくさん歩いていた。 グランドバザールの入り口も近いはずだ。地図で方角を確かめてそちらの方へ歩いていく。電車道を横断してイスタンブール大学 の前に出た。さすがに大学の前だけあって路上に本を並べて売っている。ふむふむ、なるほどエレクトロニクス関係やパソコンの 本、それに物理学など学生向きの本が並んでいる。 道なりにどんどん進んでいくとかなり広い広場に出た。そこには数百以上の 露店が所狭しと軒を並べていた。そうか今日は日曜.. グランドバザールは休みの日。その代わりに庶民の市の立つ日だったのだ。高級品は無い代わりにありとあらゆる日常生活用品が売られている。

 

 衣類も靴も安い! 怪しげな電池、電気剃刀(もちろん200V用)ラジオ、ランプオイル、石鹸、食器、その他諸々見ていて飽きない。 おっと危ない、バスの出発まであと10分だ。慌ててホテルへ戻ろうと近道を探したがどうも慣れない道故迷ってしまった。検討を つけて角を曲がったのだが、違う通りへ出てしまった。そろそろ開店準備をしている八百屋があったのでホテルへの道順を聞くが どうも要領を得ない。 そこへスーツを着たビジネスマン風の男が来た。八百屋が何やら話している、私も地図を出してホテルの場所を指で示す。ビジネス マンがあっちの方だと教えてくれた。もうあと2〜3分しかない、慌てて教えてくれた方へ走って指示された角を曲がるとホテルの 前の通りだった。かろうじて時間丁度にバスに乗り込むと既に全員、バスに乗っていた。              


 ドルマバフチェ宮殿

 バスは例の電車通りを私が歩いたのと反対の方向へ進む。今日は新市街にあるドルマバフチェ宮殿の見学だ。ローマ時代に 作られた水道橋の下を通り、アタチュルク橋を渡る。宮殿まではさほど距離はない、ほどなく宮殿の前に到着 する。

 宮殿内部は許可がなければカメラを持ち込むことは出来ない。しかも、許可をもらってもフラッシュを使うことは出来ない。 しかし、事前に「ここだけはお金を払ってもカメラを持ち込む価値がある」と聞いていたので、フイルムが一番たくさん 残っている私のカメラだけ持ち込むことにした。 宮殿の前には台に乗った兵隊が見張りに立っている。 その兵隊はカーキ色の分厚いコートに白いヘルメットを被り、銃を杖のように支えにして直立不動でじっと前方を見据えている。一見、人形ではないかと思えるほど微動だにしない。 宮殿の入り口で靴の上からビニール袋のカバーを被せる。しかもなお通路用にしかれた絨毯の上以外を歩いてはいけないそうだ。 一同、恐る恐る、宮殿に入る。現在は宮殿内部の4分の1しか公開されていない。中はさすがに素晴らしいものだった。宮殿全体で、14トンもの金が使われており絢爛豪華としか言いようがない。

 

 

 

宮殿前の 直立不動の兵隊さん

王子、王女達の遊び部屋の広いこと、取りそろえてる家具調度の豪華 なこと、さすがにオスマントルコ帝国の宮殿だ。見学者にはグループ毎に警備の係員が着いてきて悪戯などされない様に監視している。 グループの足どりが遅くなると、あまり機嫌が良くなさそう。皇太后の部屋は、奥行き、高さとも日本の兎小屋がすっぽり入ってしまい そうな程の広さだ。毎週のように王の結婚式が行われたという大広間の広さたるやテニスコートが作れそうな程だ。見学用通路の出口は 海の方へ向いていて、宮殿を出るとすぐ前に海が広がっていた。王が船遊びから帰って、すぐに宮殿に入れるようになっている。宮殿内 を1時間程歩き回った一行は朝日に輝くボスフォラス海峡を見てほっと一息入れる。各々写真等を撮りながら出口へ向かう。

 

 ←絢爛豪華な宮殿の内部

 


 

 閑話休題 今回の旅の仲間ご紹介

 

 

 

 

KAさんご夫妻 私がお誘いして一緒に来ることになった30代のご夫婦。旅慣れしている上、とっても仲の良い友達同士みたいな夫婦。 二人とも非常に体格がいい

MKちゃん 独身女性 東京は青山に住むというなかなかの美人。とても長い髪をしている。サングラス姿がなかなか お似合い。結構旅慣れた感じ。

MTちゃん 独身女性 MKちゃんと一緒に参加の女性。買い物が好きのようだ。本人は最後まで知らなかったけど、 熟年チームの間で”ミス買い物”というあだ名がついてしまった。

 

 

 

Tちゃん、Nちゃん まだ大学をでたばっかりという感じの20代前半の女性コンビ。この二人もやけに海外慣れしている。 いろんな楽器を買っていたようだ。

 

 

 

 

Mさん 独身女性 一人で参加。海外旅行は2度目だが一回目はなんとチュニジアへ行って来たという。

Sさんご夫妻 熟年のご夫婦。非常に上品で物腰の良い方達。こんな格安ツアーに来るような感じの人ではない。 後日伺った話では、旅行中ご主人の体調があまり良くなかったらしい。

 

 

Nさんご夫妻 リタイヤして、まだ1ヶ月という熟年夫婦。カメラ好きのご主人が熱心に写真を撮りまくる。なんと私と同じ市に住んで いて、私が以前経営していた店のお客さんだった。

 

 

KOさんご夫妻 中年のご夫婦 山好きのご夫婦であちこちの山を歩いているらしい。海外もかなり慣れてる。服装がいかにも山屋さん。

 

 

 

H社長一行 運送会社の社長とその友人、社員のおばさん2人の4人連れ。

H社長 お金の使い方のきっぷがよい。ワインをごちそうになったりした。面白い人だが、少しわがままっぽい所があるみたい。いかにも社長タイプ...。その友人の男性とおばさん2人、社長が行くからついてきたという。

今回は旅仲間にも恵まれて和気藹々のいい旅でした。      以上   

 


フェリーにてアジア側へ渡る

午後はチャナッカレへ向かうことになる。海辺に近いレストランで昼食を済ませ、ヨーロッパ側へ向かう。イスタンブール 郊外へ出たバスは高速道路を西へ進む。辺りはのどかな田園風景、なだらかな起伏のある丘陵地帯である。    

トルコは非常に豊かな農業国だ

 緑が多くインドの風景 とはまるで違う...そんな風景が延々と続く。しかし、時折異常に土地の低いところがあったりして畑や住宅が水没しているところ もあった。しばらく進むと高速道路を出て、一般道路へ出た。風景もさほど変化はないが、住宅はぽつりぽつりとあり、割とまんべん なく人が住んでいるようだ。トイレ休憩のためにドライブインへ入った。トイレを済ませて店内に入ると、なにやら見慣れないお菓子類 やジュース等を売っている。奥の方にあった冷蔵庫に昨夜の”アイラン”らしき絵が書いてあったので冷蔵庫を開けて1個取り出す。 でも、箱の形が冷蔵庫に書いてある絵のように丸ではなく四角だった。牛の絵があるから多分そうだろうと思いこみ、もう一つ赤い 果物の絵の飲み物(缶ジュース)を買った。外へ出て四角の箱の飲料を飲んでみる。ありゃりゃ!こりゃ牛乳だ....しかも、冷蔵庫 に入っていたのに冷たくない。でも、日本を出てから牛乳飲んでないなあ。バスへ戻ってみると同行の人たちが、なにやらお菓子を 買ってきていて少しづつおすそわけを貰う。やっぱり結構甘め...マンゴーのジュースが回ってきた。こいつもやたら甘い! 私も缶ジュースの方を試してみる。どうやらさくらんぼかなんかのジュースみたいだ。でもこれは酸味があってさほど甘くはない..。 まあまあ正解、近くの席の方に回す。バスは相変わらず同じ様な道を進む。やがて日は傾き、日没が近くなってきた。 しかし、バスは緩い登り下りを繰り返すので、一度地平線に見えなくなった太陽がまた顔を出す。これを繰り返すこと数十回、 バスは海岸のすぐそばの道路へ出た。実に穏やかな海、これがエーゲ海。別荘地帯の街の前を通過する。 似たような作りの家々が 驚くほどたくさん並んでいる。集合住宅もみな同じ様な作りだ。各家の屋根には殆どと言っていいほど太陽熱温水器が載っている。 バスはもう300キロ程も走破してきた。 辺りが薄暗くなる5時半頃エジュアバトの街へ到着した。フェリーの出発まで30分ほど だった。旅人達は思い思いにバッグを持ってあちこちに散っていく。 私はひとまずトイレを探しに通りを歩いて行った。トイレの 看板の所を横道に入る、あったあった。

エジュアバトのトイレ...チップは5万TL。

 バスの近くに戻ると何人かが海のそばの売店で何か食べていた。な〜るど...やっとケバブ(羊の肉を焼いた物)にありついたらしい。私はさほど腹も減っていなかったので遠慮した。旅の 最中に食べ過ぎてお腹をこわすのは非常につらい。 辺りはだんだん暗くなる。対岸からのフェリーが入港してきた。我々のバス は先頭にいる。バスに乗り込み、そのままフェリーの客となった。対岸(アジア側)までは30分程だ。バスの中にいてもつまらないのでフェリーの客室へ行ってみる。客室は2階だ。船尾の方へ行ってみるとエジュアバトの港は 夕暮れに包まれて非常に神秘的な光景だった。思わずカメラを手にし、シャッターを切ったがこの暗さではどんなものか?.... でも 結構いい線行ってますよね。

 客室には 同行の人たちや現地の人達が大勢いた。喫茶室を兼ねているらしく、ボーイ(というにはいささか年輩だが)が注文を取りに来た。 当然、チャイを頼む(トルコではコーヒーは高級品でチャイよりずっと高い)角砂糖を1個投げ入れ、もう1個の角砂糖を囓りなが ら熱いチャイを楽しむ。 

フェリーの上で寒さに震える私

 対岸のチャナッカレの街明かりが近づいてきた。一同、バスに戻り無事アジア側へ上陸する。チャナッカレ の街は対岸のエジュアバトより遙かに大きな街だ。しかし、目指すホテルは街から約30分ほどの郊外にあった。道は急に細くなり 、街路灯も無い真っ暗な道を進む。海にほど近い、海岸から少し登った斜面にあるホテルだ。客室はフロントとは別棟でペンション 風の2階建ての建物だ。部屋はツインと言うにはかなり狭い。KA氏の奥様T子さんはこの旅ですぐに仲良しになったMさんの部屋 を覗きに行った。彼女の部屋にはメドウサの絵が掛かっていて気持ち悪いそうだ。結局T子さんはその夜、Mさんの部屋へお泊まり に行ってしまった。日本の留守宅向けに、絵はがきをしたためたが、帰国とどちらが早いかなあ?翌日に備えて早く寝る。

 

 


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目次

1

イスタンブール

2

チャナッカレ

3

 トロイ 

4

エフェソス

5

パムッカレ

6

カッパドキア

7

イスタンブール

8

帰国・番外編